FACULTY OF POLITICAL SCIENCE AND ECONOMICS
政経学部NEWS

「アフリカの奇跡」ルワンダで学ぶ ― 政経学部 海外研修を実施

2026.10.09(金)
NEWS  
政経学部では、2026年8月30日から9月11日までの日程で、アフリカ東部のルワンダ共和国において「海外研修(ルワンダ)」を実施しました。本研修には、政経学部の学生を中心に、国際学部・商学部を含む2年生から4年生まで計12名が参加し、政経学部の田口晋平准教授が引率しました。
 
本研修は、学生が海外で外国語を使いながら異文化への理解を深め、国際的なコミュニケーション能力を育むことを目的とした、政経学部の単位認定科目です。ルワンダはアフリカでも特に治安が良く、ICTを軸とした国家開発で「アフリカの奇跡」とも呼ばれる経済成長を遂げてきた国です。学生たちは首都キガリと東部州カヨンザ郡を拠点に、国際協力、行政、歴史、ビジネス、地域社会など多角的な視点からルワンダを学びました。
 
出発前の事前研修
出発前には、危機管理講座に加え、ルワンダの歴史・文化・政治経済の基礎、現地語(キニヤルワンダ語)について学ぶ事前研修を6回実施しました。現地で行う子どもたちとの交流活動も、この期間に学生自身が企画・準備しました。
 
日本の国際協力の現場を知る
研修初日にはJICAルワンダ事務所を訪問し、所長から日本のODA事業について説明を受けました。学生からは、上下水道の整備状況、サイバーセキュリティ分野の支援、プロジェクトの終了判断、コーヒー農家の収入向上への効果など、事前学習を踏まえた具体的な質問が相次ぎました。
 
その後も、日本の無償資金協力で建設された学校や幹線道路(ルスモ道路)、ジェノサイド以前から日本が支援を続けてきた職業訓練校(Tumba TVET)、キガリ市内の給水網整備事業の現場を訪れ、日本人コンサルタントから事業の仕組みについて話を聞きました。また、障がい者支援、青少年育成、コミュニティ開発の分野で活動するJICA海外協力隊員3名の活動現場を視察しました。学生と年齢の近い日本人の若者がアフリカで活躍する姿は、参加者が自分の将来を考える大きなきっかけとなりました。
 
ルワンダの行政とICT立国の取り組み
キガリ市キチュキロ区役所では区長と面談し、ICTを活用して住民の声を集め、オンラインで寄せられた要望に5時間以内で対応する体制など、説明責任(アカウンタビリティ)を重視した行政運営について説明を受けました。ICT省ではAI活用を担当する職員から、ICT立国を目指す国家ビジョンについて講義を受け、キガリ大学では法学部長からルワンダの法制度とガバナンスについて学びました。
 
さらに、ドローンで医薬品や輸血用血液を全国の地方クリニックへ届けるスタートアップ企業Ziplineを視察しました。テクノロジーによって地方の医療アクセスという社会課題を解決する最先端の取り組みに、学生たちは強い関心を寄せていました。
 
歴史と向き合い、地域の暮らしを知る
キガリ・ジェノサイド・メモリアルやベルギー平和維持部隊の記念碑、映画『ホテル・ルワンダ』の舞台となったホテル・デ・ミル・コリンを訪れ、1994年に起きたジェノサイドの歴史と、そこから和解と復興を進めてきたルワンダの歩みについて理解を深めました。
 
地方部では、農村の家庭を複数回訪問し、水や電気などのインフラが十分に整っていない暮らしを目の当たりにして、都市と農村の格差や貧困の実態を学びました。また、路上生活を送る子どもたちの保護と家族・学校への再統合に取り組む現地NGO「Akagera Good Neighbors」では、支援を受けている子どもたちと交流し、学生が日本の書道を紹介して一緒に体験しました。キガリ郊外の小学校(Saint Tarcisius School)では、授業見学の後、学生が考案した地元の材料で作れる遊び(輪投げ)を通じて児童と交流しました。
 
このほか、伝統工芸イミゴンゴの学習、キガリ最大のキミロンコ市場や地方市場の視察、国境へ向かう幹線道路沿いの「道の駅」での内陸国の物流事情の学習、アカゲラ国立公園でのゲームドライブ(ライオンやゾウなど野生動物の観察)など、ルワンダの文化・経済・観光資源にも幅広く触れました。
 
研修の成果報告
研修の終盤には、キチュキロ区役所で研修報告を行い、参加学生に修了証(Certificate)が授与されました。また、在ルワンダ日本大使館を訪問して研修内容を報告し、大使館の役割や日本とルワンダの関係について説明を受けました。本研修の様子は、在ルワンダ日本国大使館の公式X(旧Twitter)でも紹介されました。
https://x.com/japaninrwanda/status/2097712208536817925?s=20
 
参加学生の変化
研修を終えた学生からは、「機会があればまた参加したい」「自分でアフリカの他の国も訪れてみたい」という声が聞かれました。研修をきっかけに外交官を志すようになった学生、JICA海外協力隊への参加を考え始めた学生、帰国後に英語学習に力を入れると決意した学生もいます。約2週間という限られた期間でしたが、多くの参加者にとって、これまでの価値観を問い直し、新たな目標を見つける機会となりました。
 
今後は事後研修で、各自が研修で得た知見や体験を自身の進路と結びつけてレポートにまとめ、発表する予定です。
 
政経学部では、グローバル・スタディーズ、SDGs、データ・AI活用の3つのプログラムと連動しながら、学生が世界の現場に触れ、自ら考える機会を今後も提供していきます。

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【学生の感想】

武田 大晴(経済学科2年 / 神奈川県横浜創学館高校出身)
私にとってルワンダは、初めて訪れた海外の国でした。日本とは異なる街並みや文化に価値観、多くの外国人との出会いに、最初は大きな驚きを感じました。しかし、現地の方々と交流する中で、ルワンダならではの文化や人々の温かさに触れ、その魅力を感じるようになりました。また、日本語が通じない環境で英語を使って交流することで、語学力や、相手に合わせて伝える力も身についたと感じています。首都キガリでは区長の方から直接お話を伺い、現地の方の言葉を通して、ルワンダの地域づくりや人々の生活について学ぶことができました。今回の研修で得た積極的に行動する姿勢と異文化への理解を、今後の学びや将来に活かしていきたいです。
内田 紗来(法律政治学科3年 /神奈川県立横須賀高校出身)
本研修では、たくさんの子供たちと触れ合うことができました。一緒に遊んだり、お話したりするのが楽しかったし、駆け寄ってくる子供たちが可愛くて癒されました。
一方で、彼らの壮絶な家庭環境や児童労働、貧困や格差など、深刻な現実も目の当たりにし、子どもが環境を選べないことや、環境の違いにより生活水準や将来の選択肢に差が生まれることを痛感しました。
将来、非行少年と関わる仕事に就きたいと考えていますが、自分で選ぶことも変えることも難しい環境の中で非行に至ってしまった少年を見放すことなく、更生に導きながらも、感じ方や価値観を尊重し、寄り添い、その子が望む生き方を歩めるよう支えていきたいと思いました。