FACULTY OF POLITICAL SCIENCE AND ECONOMICS
政経学部NEWS

「2025年度政経学部奨学論文」の表彰式を実施しました

2026.03.07(土)
NEWS  
2026年2月26日(木)に、「2025年度政経学部奨学論文」の表彰式が、E301教室にて開催されました。
本年度の表彰論文は、最優秀賞1編、優秀賞3編、佳作3編の合計7編となりました。表彰式には、表彰者の他に、政経学部長、法律政治学科長、経済学科長、表彰者指導教員、奨学論文選考委員が出席しました。

表彰式では、政経学部長より受賞者に賞状が授与されました。また政経学部長と奨学論文選考委員副委員長から講評がなされ、受賞者からは論文執筆にあたっての苦労や努力について話がありました。政経学部長と副委員長の講評では、学生自身が主体的にテーマ設定や資料収集に取り組んだことや、資料の分析や論文執筆に向けた努力が見られたことなどが高く評価され、論文執筆の経験は将来につながる貴重な経験であるとも語られました。また、近年における論文の全般的なレベルの向上についても言及されました。

各表彰者の氏名、所属、論題、及び受賞コメントにつきましては、以下の通りです。
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<最優秀賞>
八尋 圭太さん(法律政治学科4年)
「映画『ソーシャル・ネットワーク』を通じたSNSの社会学的考察」
令和7年度政経学部奨学論文最優秀賞要約

 この度は、政経学部奨学論文において最優秀賞という栄誉ある賞をいただき、誠にありがとうございます。私は、映画というメディアに深い関心を抱き、それを単なるエンターテインメントとしてではなく、社会学的な視点から分析することを目指しました。
 本論文では、映像表現がどのように社会的な意味を構築しているかを考察しました。既存の理論を現代のメディア分析に適応させ、論理を組み立てる過程は非常に困難でしたが、初めて読む方にも映画研究の奥深さが伝わるような、説得力のある記述に努めました。他分野の先生方からも評価をいただけたことは、私にとって大きな自信となり、4年間の学びの集大成として最高の形となりました。
 執筆にあたり、ゼミナール指導教員である村上祐紀先生には、多忙な中、常に親身になって丁寧なご指導をいただきました。先生の鋭いご指摘と温かい励ましがなければ、理論と分析を融合させた論文を完成させることはできませんでした。心より感謝申し上げます。また、切磋琢磨し合ったゼミの仲間たちにも、深く感謝しております。誠にありがとうございました。



<優秀賞>
城野 達哉さん(法律政治学科4年)
「安全保障における外的脅威が世論に与える影響―沖縄県知事選挙を通じた県民の投票行動の分析―」
 この度は、政経学部奨学論文において優秀賞に選出していただき、誠にありがとうございます。
 本論文は、沖縄県知事選挙における投票行動に影響を及ぼす要因を明らかにすることを目的とし、中でも外的脅威認識が投票行動に与える影響(ラリー効果)に着目しつつ、先行研究の分析枠組みを踏襲して2010年以降の4回の選挙を対象に分析を行いました。結果として、外的脅威認識は基地容認派候補の得票率に一定の影響を与えることからラリー効果が確認され、選挙結果は地理的条件や産業構造など自治体固有の要因にも左右されることが示されました。
 論文執筆にあたり、データ作成や分析の過程でさまざまな困難がありましたが、先行研究の著者の一人である高知工科大学の矢内先生には変数作成の過程でご指導をいただき、指導教員の浅野先生には提出直前まで論文内容について助言をいただいたおかげで、論文を仕上げることができました。改めて深く感謝申し上げます。
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<優秀賞>
阿部 杏花音さん(法律政治学科4年)
「日本の選挙制度における構造的課題ー韓国のサバイバルオーディション番組をもとにしてー」
 このたびは、政経学部奨学論文において優秀賞に選出いただき、誠にありがとうございます。本研究では、若年層が実際の政治選挙においては投票率が低い一方で、視聴者参加型のオーディション番組では積極的に投票行動を取っている点に着目しました。両者の違いを手がかりに、投票に至る心理的過程を分析し、それが実際の選挙における投票行動の理解につながる可能性について検討しました。
 研究を進める中では、先行研究の整理や収集した変数の分析方法に悩む場面も多くありましたが、試行錯誤を重ねながら考察を深めることができました。本研究の執筆にあたり、貴重なご指導を賜りました岡田陽介教授をはじめ、活発な議論や助言を通じて支えてくださったゼミ生の皆さまに、心より感謝申し上げます。

<優秀賞>
内田 脩真さん(経済学科4年)
「一七世紀イングランドにおける主権構造と請願権」
 この度は、私の論文を優秀賞に選出していただき、誠にありがとうございます。本論文は、17世紀イギリスで出された統治章典と権利章典を比較し、共和政期から名誉革命期にかけての主権構造と請願権の変容を再検討したものです。従来、過渡期とされがちであった共和政期を統治体制の試行期と捉え直し、さまざまな資料を精査しながら分析を行いました。その結果、両文書の差異を、制度設計の違いにとどまらず、危機的状況やそれを正当化する意味との関わりにおいて考察し、広い視野のもとに論文を書くことができたと思います。
 研究を進める中では多くの困難もありましたが、粘り強く向き合う姿勢を大切にし、最後まで書き上げることができたことは大きな自信となりました。ゼミナール指導教員である高見先生をはじめ、ゼミ生の皆さんにはたくさんの熱意ある意見やアドバイスをいただきました。改めまして、感謝を申し上げたいと思います。誠にありがとうございました。

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<佳作>
韓 雨含さん(法律政治学科4年)
「商業化によるスペースデブリ問題の再検討」
 この度は、私の論文を佳作賞に選出していただき誠にありがとうございます。本論文は、スペースデブリ問題を解決するためにADR措置を実施する法的根拠を検討する目的で執筆しました。宇宙活動の商業化が進むことにより、コンステレーション衛星のような新しい様態となる企業活動も現れました。本論文は、その新技術による新たな宇宙活動がもたらすスペースデブリの危険性を示し、ADR措置を実施する必要性を強調しました。そこで、ADR措置を実施する法的根拠として、宇宙法のみならず、他の国際法分野の類推適用される可能性についても検討しました。そして、論文執筆を通じて、私は国際法だけでなく、経済、技術、歴史など、様々な領域の文献を読むことができ、自分の視野も非常に広がるようになったと実感しました。この貴重な経験を一生も忘れず、今後の人生にも活用していきたいと思います。
 今回、この佳作賞をいただけたのは、手厚い土屋先生のご指導と、様々な考えをくれたゼミ生のおかげで、心より感謝を申し上げます。


<佳作>
徐 希雯さん(法律政治学科4年)
「中国における過労死をめぐる不法行為責任の比較について-日中の因果関係認定を中心に」
 この度は、私の論文を佳作賞に選出していただき、身に余る光栄に存じます。
 本論文は、中国における過労死をめぐる不法行為責任の在り方について、日本の判例・学説との比較を通じて、とりわけ因果関係認定の枠組みに着目しながら検討することを目的として執筆しました。中国では現在も「必然的・直接的因果関係」の立証が重視されており、そのことが被害者側に大きな負担を課している現状があります。これに対し、日本の相当因果関係論や判例の分析を通じて、業務が健康悪化の危険を高めた場合にも因果関係を認め得る柔軟な判断枠組みの重要性を明らかにしました。日中の比較を通じて、今後の制度的課題と方向性を提示することができたと考えております。
 本研究に取り組む過程で、多くの示唆と学びを得ることができました。今後も本論文で培った視点を大切にしながら、より一層研鑽を重ねてまいりたいと存じます。最後に、執筆にあたり丁寧にご指導くださった長先生に心より感謝申し上げますとともに、本論文をご評価くださった選考委員の先生方、そして日頃より温かく応援してくれたゼミの皆さんにも、深く御礼申し上げます。
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<佳作>
藤川 咲星さん(法律政治学科4年)
「「水」の象徴的役割と作品内の「生と死」について」
 この度は、政経学部奨学論文において佳作賞にご選出いただき、誠にありがとうございます。本稿では、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』における「水」に着目し、その象徴性と作品内に描かれる「生と死」の関係について考察いたしました。
地の文および会話文の精読を通して分析を深め、先行研究も踏まえながら論を展開いたしました。その結果、水は生と死を内包する存在として機能しており、本作は単なる悲劇にとどまらず、「救い」や「再生」をも含意する希望の物語であることが明らかになりました。
 今回このような賞を賜りましたのは、ご指導くださいました村上先生、そして日頃より意見や助言を交わしてきたゼミ生の皆様のおかげです。ゼミナールでの学びの成果をこのような形で示すことができましたことに、心より感謝申し上げます。