HOME政経学部NEWS
2021年03月05日NEWS

「2020年度政経学部奨学論文」の表彰式を実施

2021年2月26日(金)に、「2020年度政経学部奨学論文」の表彰式が、Teamsを使って、オンラインで開催されました。表彰式では、学部長・学科長・指導教員からの講評と、受賞者からのコメントが述べられました。参加した教員からは、いずれの論文も独創的な視点を持った素晴らしい内容であることが、和やかな雰囲気の中で伝えられました。

受賞者からのコメントは以下のとおりです。

最優秀賞

髙落 弥生さん(法律政治学科4年)

「ソポクレス『アンティゴネ』におけるイスメネの個人主義的傾向 ―ヘーゲル的二項対立への批判―」(論文要約)
この度は素晴らしい賞をいただきありがとうございます。昨年度は優秀賞だったのでリベンジできたようで嬉しいです。
今年度はギリシア悲劇『アンティゴネ』におけるイスメネの役割を分析しました。彼女は、先行研究において女性的役割のみを担うとされていたことを批判し、彼女が個人や生命を尊重する行動指針を持つ存在であることを明らかにしました。
昨年度とは異なり今年度は海外の先行研究にも取り組みました。その結果、国内の研究はジェンダーの観点からイスメネの役割を分析するのに対し、海外の研究はジェンダー観を乗り越え政治的観点から分析するように変化していることが分かりました。
海外文献に取り組んだことで、国内の先行研究の海外からの遅れ、海外の先行研究も結論が女性的役割の域を出ないことを指摘することができました。国内の先行研究のみでは、本論の帰結がイスメネの個人主義的役割には至らなかったと思うので、苦労しただけの価値はあったと思っています。
今回の受賞を励みに、今後も精進していきたいと思います。日頃からご指導いただきました近藤先生、並びに評価していただいた審査員の皆様に、お礼申し上げます。本当にありがとうございました。

髙落 弥生さん

髙落 弥生さんの表彰の様子

優秀賞

八木 海輝さん(経済学科4年)

「日本におけるヘルマン・ヘッセ ―『車輪の下』は教養小説か―」
この度は優秀賞をいただき誠にありがとうございます。私は卒業論文を奨学論文として提出したので、論文が完成した時点で4年間の大学生活の成果を形に残すことが出来たと考えていました。それがこうして賞を頂けたことで、その成果が優秀賞という結果としても残せたことは非常に嬉しく、そして光栄に思います。
この論文は執筆にあたり、学生生活で読んだ中で最も面白かった小説である『車輪の下』を自分なりに解釈したいという思いがありました。その動機として、先行研究が私個人の感想と相反していたり、想像の埒外だったりする論が、強い根拠の元に論じられていた為、徐々に先行研究への反骨心が芽生えていったことにあります。主流の研究から離れ、受容そのものを否定する論が完成したことは、研究の達成感とは別に、自分の感想の補強にも繋がり、とても満足したものを書き上げられたと考えています。
とは言えこの論文は私の力だけでなく、村上先生の手厚いご指導や幾度にも渡る添削のおかげであり、基本的な誤字修正から内容の相談まで乗ってくれた他ゼミ生のおかげであり、自分ひとりでは成し遂げられませんでした。この経験と結果は、これからの自分の中で大きな自信に繋がっていくと考えています。今回の受賞、誠にありがとうございました。

八木 海輝さん

八木 海輝さんの表彰の様子

渡邊 聡志さん(経済学科4年)

「ビットコインはハイエクマネーであるか ―自生的な貨幣システムの実現―」
この度は、このような賞をいただきありがとうございます。
本論文は、ハイエクの『貨幣発行自由化論』に焦点を当て、ビットコインはハイエクが理想とする「貨幣システム」であり、その役割は人々に「貨幣選択の自由」を与えたことであると明らかにしました。
ビットコインの論争は多々ありますが、そもそも「ビットコインの本質」を論じている先行研究は、ほとんどありません。ビットコインとは、テクノロジーとリバタリアン的思想を融合させた「もの」であり、それを学術的に分析したいと思ったことが本論文を執筆するに至ったきっかけです。
過去の文献を読み解き現代を分析することは、大学という学術機関だからこそ実践できたことだと思います。ゼミで学んだ思想や哲学の観点から論文を執筆できたことは、大きな成果だと自負しております。近年、ビットコインの他にもテクノロジーを駆使し自由・平等などの思想を実現しようとする取り組みが顕著となっています。今後も、その動向を注視してゆきたいです。
論文執筆にあたり、ご指導いただきました近藤先生をはじめ、多くの先生方には大変お世話になりました。大学卒業後も学問を極め、どんな困難にも負けず気概を持って社会に羽ばたきたいと思います。ありがとうございました。

渡邊 聡志さん

渡邊 聡志さんの表彰の様子

TOOLS