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2017年09月19日ゼミナール

【政経学部・松井ゼミ】「西洋と日本の近代化の諸相を考える」校外学習

松井ゼミ(3年生)では、「近代化の体感」を校外学習の重要テーマの1つと位置付けてきました。今回の9月の校外学習では、上野・王子・駒込地区の日本の近代化関連の施設巡りを行いました。最初に訪れたのは世界遺産に指定された国立西洋美術館です。この施設を選んだ趣旨は、西洋絵画の歴史を具体的に見ながら、西洋の近代化に至る歩みと近代から現代への飛躍・苦悩の相反する側面を考えてもらうことにありました。
 

国立西洋美術館は、戦後に松方コレクション(川崎造船所の社長などを務めた松方幸次郎氏が所有していたフランスの美術収集品)がフランス政府から寄贈返還される際の保存・公開場所として設立されました。ル・コルビュジエの建築作品の一環として世界遺産に登録されましたが、日本の近代化の歴史と民間財閥の役割を象徴する施設ともいえます。
他方で、日本の美術における近代化の歴史は「押しよせる西洋化の波と東洋の伝統との葛藤」としてしばしば形容されます。明治の近代化推進の中での西洋美術重視の工部美術学校の開設・閉鎖、その後の伝統美術を重視する潮流の中での東京美術学校の設立など、上野では日本美術の近代化における模索の歴史を感じることができます。
日本の近代化の諸相

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(出所)筆者作成
次に、王子地区の飛鳥山公園にある3つの博物館を訪れました。産業育成・ビジネス・地域の観点から日本の近代化について考えることが見学の趣旨です。王子地区は洋紙国産化の発祥の地としても知られており、紙の博物館ではこの歴史をたどることができます。渋沢史料館には、日本の近代化に多大な貢献をした渋沢栄一氏に関連する展示がなされており、財閥や企業グループの経営を考える上での大変有益な機会となりました。北区飛鳥山博物館は、北区の歴史を環境や風土のなかでとらえる「郷土風土博物館」と位置づけられていますが、原始・古代からの日本の歴史を地域の視点から体感することができます。
国立西洋美術館にて                                                                                                                        渋沢史料館にて                                    

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最後に、駒込地区の東洋文庫ミュージアムを見学しました。東洋文庫は東洋関連の蔵書では世界でも有数の量を誇り、日本の東洋学研究の重要な拠点となっています。大正時代に三菱財閥が研究図書館として設立したこの施設も日本の近代化における民間財閥の役割を物語っていると言えます。今回の校外学習は、西洋と日本を比較しながら近代化の諸相を体感することが趣旨でしたが、今後も身近な施設を最大限に活用しながらグローバル社会を立体的・学際的にとらえる学びを続けてゆきたいと考えています。

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