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2016年04月07日その他

【政経学部】学部長講話‐「大きな選択」と「小さな選択」

(1)新入生ガイダンスを行いました(4月6日)

拓殖大学では、去る4月4月に平成28年度入学式を行いました。

続く、4月5日からは政経学部による新入生ガイダンスを実施しております。

新入生ガイダンスでは、翌週からスタートする大学講義に向けた科目内容の説明や大学生活でのポイントを概説し、少人数クラス別に履修指導を行いました。
この記事では、4月6日に実施した学部長講話について、ご紹介します。

学部長講話‐「大きな選択」と「小さな選択」(政経学部長 立花亨)

まず最初に、これだけ多くの大学、学部がある中、政経学部を選んでくれたことに感謝します。

4月に入ると、様々な手続き等を挟む形で入学式からオリエンテーションと、慌ただしく時間が流れているはずです。

4年間文京キャンパスで勉強する皆さんが当初は八王子に詰めねばならなかったことも、慌ただしさが倍加した理由でしょう。

ただ、皆さんの先輩は2年前まで、1、2年生のうちは八王子で学び、3年生にならないと文京で勉強することができませんでした。
文京での一貫教育が実現したことで、皆さんの大学生活は格段に恵まれた環境の中にあります。初心を忘れずに、何事にも全力で取り組んで欲しいものです。

今回皆さんがくぐり抜けた政経学部の入試は、競争率の高さが近年では突出していました。
最高で20倍近い競争率を記録した入試で合格した皆さんに、私たちは大きな期待を抱いています。

「大きな選択」とは何か

政経学部は法学、政治学、経済学という社会科学の代表的な三つの分野を手がかりに、社会や人間、そして両者の関係といった問題を考えていくところです。

いずれもが社会科学の基礎的な分野であり、その扱う範囲は多岐に亙っています。
そうした中で皆さんは、自らの興味や適性を手がかりに、科目を選んで時間割を組むことから、どの分野を専攻するか、どの先生のゼミナールに入るかなど、 早晩、次々と選択を迫られます。

そうした選択は、大きく二つに分けることができます。

第一は、右か左かを決めるような「大きな選択」で、例えば「法律政治学科」にするか「経済学科」にするかや、「野球」をやるか「サッカー」をやるかを決めるようなものです。

この選択は将来的方向性をひとまず決定してしまうという意味で、その重要性を否定することはできません。

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学部長講話(4月6日)
しかしながら同時に、過去を振り返って「大きな選択」に実は偶然的要素が深く関わっていたことを否定できる人間はほとんどいないのではないでしょうか。

法律政治学科の諸君は他の学部や学科ではなく、「法律政治学科」でなければならなかったと言い切れますか。経済学科の諸君はどうでしょうか。

オリンピックで柔道史上初の三連覇という偉業を達成した柔道家に、野村忠宏さんがいらっしゃいます。

昨年8月に40歳で現役を引退しましたが、野村さんが柔道を始めた理由は自らの選択というより、祖父や父がたまたま柔道家であったという環境にありました。
実際、全国制覇した大学4年まで、取り立てて注目される選手ではなく、稽古も漫然とこなすことが多かったそうです。

また日曜朝の民放の番組で「喝」と叫ぶ張本勲さんについては、知っている人も多いでしょう。

スポーツは一番でなければといいつつ、「女は二番でも天晴れ」というような発言や50歳に近づいても現役を続けるカズへの引退勧告で物議を醸す張本さんは、 日本球界で唯一の3000本安打を記録した名打者ですが、張本さんがプロ野球を志した理由は、食べるものにも困る生活の中、巨人軍の選手の前に遠征先で並んでいた食事の豪華さでした。

他にも、幼少期からの訓練が必要なクラシックの音楽家などは、「大きな選択」に自らの意志を反映させることすらできないことが普通です。
これまで何度か映像化され、そのたびに話題となった松本清張の「砂の器」は、父親と放浪生活を送っていた子供が敗戦後のどさくさの中、別人になりすまして天才的な音楽家となり、そうした過去を隠蔽するために殺人を犯すという物語でした。自身の意志とは無関係に訓練を受けるべき時期に放浪していた主人公が長じてなったのが「前衛」音楽家であり、「クラシック」音楽家でなかったことは、原作者がクラシックの世界を理解していたことを意味しています。

とはいえ映像化された作品で最も有名な映画版は、犯人をピアニスト兼作曲家として、この映画のために書き下ろされたピアノ協奏曲「宿命」を効果的に使い、大きな感動を誘う作品に仕上がっています。

映画としての出来はともかく、幼少期の訓練を欠いた人物がクラシック音楽家になっている点で、違和感を禁じ得ません。

重要な「小さな選択」とその後

「大きな選択」は自分を取り巻く環境やそのときの状況、あるいは偶然や運といったものに左右されることが多いものです。その意味で、いかなる決断をしたとはいえ、あまりそれに屈託する必要はありません。むしろ重要なのは、それに続く「小さな選択」とその実現のための努力です。

「大きな選択」によって方向性が決まったとき、次に私たちが迫られるのは、そうした方向性の中、持って生まれた性格や能力を最大限に活用しうる分野とそのための方策を自分で見極めることで、これが「小さな選択」です。

法律政治学科の諸君であれば、自分の能力が活かせるのは憲法なのか民法なのか民事訴訟法なのか、あるいは研究なのか実務なのかといった点を見極め、それが正しいことを示す勉強法を発見することです。

極言すれば、この面では客観的にみて正しいかどうかより、正しいと信じて突き進む姿勢が何より必要になります。
もっとも、猪突猛進すれば成功が約束されるわけではないことは、皆さんも分かっているでしょう。自分自身を知ることや周囲の支援、そして運も必要です。

「小さな選択」はそれのみで終わることはなく、選んだ分野とその分野を極めるための方策を、徹底して自分自身のものとする努力に伴われねばなりません。

この努力は単に、量の多さを意味しません。先ほど紹介した野球の張本さんは現役時代、朝と試合前そして就寝前にそれぞれ100回の素振り(300回/日)を欠かさず行っていましたが、慢心からそれが回数を熟すだけの外部的強制と化してしまったとき、満足する打撃に戻すのに2年を要しました。

大学時代、1回6分の乱取り13本を自らに課していた柔道の野村さんも、あと何本終えねばならないという点にばかり気を取られていたときは、やはり稽古を真の実力に繋げることが出来ずにいました。

恩師によって、たとえ13本終えることが出来なくとも、とにかく目先の1本に全力を出し切る姿勢を教えられたとき、オリンピック三連覇への道が拓け始めたといってもいいでしょう。

さらに必要なもの

「小さな選択」とそれを現実化、正当化するための努力には、実は終点がありません。おそらく一流と超一流の差は、この点に現れます。

超一流は「小さな選択」とそれに続く努力で一流の地位を獲得した後も、強い克己心によって新たな要素を付加しながら努力を続け、それを止めません。

これから皆さんには、何度となく「小さな選択」の機会が訪れます。

その都度、自分自身の素質を活かしうる分野、方策を見極め、まずはそれを自らのものとする努力をしてください。
そして次に、強い意志に支えられた自己管理によって、そうした努力を不断のものとすることが必要です。
そうした一つ一つの積み重ねが、仮にある努力が実を結ばなかったとしても、次の展開に途を拓いていくのです。(了)

本講話をまとめるに当たり、以下を参考にしました。
  • 「張本勲さん 逆境に負けないための原動力(トップアスリートの提言 張本勲[前・後編])」 日本経済新聞電子版(2016.2.20, 2016.2.27)
  • 「柔道オリンピック3連覇 野村忠宏、今だから語る『ナルシストのススメ』[前・後編]」 FORZA STYLE (http://forzastyle.com/articles/-/47991?)(2016.3.16閲覧)

新入生ガイダンス

学部長講話に続いて、1)政経学部の履修体系、2)専門科目の学び方、3)副専攻と留学研修の勧め、4)ITガイダンス(情報リテラシーの重要性)について、担当教員から、それぞれ講話を実施しました。

新入生の皆さん。来週からは前期講義が始まります。ガイダンスでの注意事項をよく念頭において、実りある学生生活を送って下さい。

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履修モデルについて

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専門科目の学び方

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副専攻の勧め

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ITガイダンス

(2)保証人向けの説明会を行いました(4月4日)

政経学部では入学式後に、保証人向けの説明会を実施しました。

学部長および担当教員より、拓殖大学政経学部における教育プログラムについて、ご説明をさせて頂きました。

保護者およびご親族の皆様におかれては、ご多用中にも関わらず、入学式にご出席を頂き、さらに学部説明会に参加をして下さり、誠に有難うございました。

教職員一同、ご子息の教育指導と人間形成に粉骨砕身努力する所存です。どうか引き続き、ご理解とご協力を賜りたく存じます。
なお、拓殖大学では、保証人向けの説明会を年間数回程度を予定しております。

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保証人向け説明会(4月4日)
掲載日:2016年04月07日

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