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2014年12月15日ゼミナール

【政経学部】浅野ゼミナール 早稲田大学で第3回合同ゼミ論発表会開催

12月3日、浅野ゼミは早稲田大学政治経済学部の田中愛治ゼミと合同でゼミ論発表会を行いました。2012年から始まった合同ゼミ論文発表会も今回で3回目を迎え、各ゼミから2本ずつ実証政治学に関する論文が発表されました。今回、浅野ゼミが発表した2本の論文は拓殖大学政治経済研究所主催の学生懸賞論文コンクールで、最優秀賞と優秀賞を受賞したものです。論文のテーマの斬新さと面白さ、仮説検証方法の妥当性、そしてプレゼンテーションのスキルと質疑応答への対応という観点から、昨年に勝るとも劣らない高いレベルの議論が繰り広げられました。

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合同ゼミ発表会の様子

早稲田大学

①「国際比較から見る男女の役割意識」(共著論文)
・岡田あかり(政治学科3年)
・田部井滉平(政治学科3年)
・今川梓    (国際政治経済学科3年)
・菅原綾子  (国際政治経済学科3年)

 

今回は4つの論文が発表されました。それぞれの論文テーマ、発表者、そして論文の概要は次のとおりです。

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左から今川さん、菅原さん、岡田さん、そして田部井君

この論文では、男女の役割文化の意識に与えている影響を、教育制度、人口統計的要因、そして社会的制度の三つの要因に分けて作業化し、計量分析を行い、世界の主要な各国ごとに比較しつつ考察しました。
 

②「法案成立率に影響を与える要因」(共著論文)
・ 市川浩史    (政治学科3年)
・  犬塚顕仁    (政治学科3年)
・  喜納千晶    (国際政治経済学科3年)
・  黒羽根しおり(国際政治経済学科3年)
・  月江潤也    (政治学科3年)

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左側から喜納さん、市川君、黒羽根さん、犬塚君、月江君

この論文は、「支持率が高い内閣は、より多くの法案を成立させるのか」という因果関係について実証分析したものです。不信任案や問責決議案、ねじれなどの統制変数も含めて重回帰分析を行いました。内閣支持率と法案成立率のどちらが原因でどちらが結果なのかという因果関係の内生性についても追加分析を行いました。その結果、「支持率が高い内閣は、より多くの法案を成立させる」ことが検証できました。

拓殖大学

③「国民年金保険料納付率の都道府県別格差と政府への不信感」(共著論文)
釜谷茉里(法律政治学科3年)
・山本瑞葉(法律政治学科3年)
・安藤雄祐(法律政治学科3年)

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フロアーからの質問に答える釜谷さん、山本さん、安藤君(左から順に)

この論文の主張は、都道府県ごとに国民年金保険料納付率に格差があるのは、国民の政府への不信感が影響している、というものです。政府に対する国民の不信感を「ジニ係数」を使って近似化し、ジニ係数値が大きい都道府県ほど不平等感を感じているため、国民年金の納付率が低い、という仮説を検証しました。
 

④代議士はなぜ国会で発言するのか(共著論文)
・北島啓喜  (経済学科4年)
・山崎詩織  (法律政治学科3年)
・加瀬健一郎(法律政治学科3年)

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左から順に加瀬君、山崎さん、北島君
この論文は、国会での代議士の発言に着目し、本会議における代議士の発言数の差は何によって決定されるのかについて分析を行いました。政党や政治家は当選のために戦略的な行動をとるという理論から、前回の衆院選挙で接戦であった議員ほど国会で発言するという仮説たて、重回帰分析を行った結果、小選挙区で当選した代議士の発言数と接戦度とは関係がない、という結論が得られました。

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学生たちの発表に対してコメントされる浅野先生(左側)と田中先生(右側)

今年度の合同ゼミナールも終了時間ギリギリまで意見交換が行われました。田中先生や浅野先生からは、ひとつひとつの論文に対して具体的な修正点や改良点をご指摘いただきました。両先生から「どの論文もよく考えられており、非常に興味深い」という評価をいただきました。またフロアーの学生からも、様々な意見やコメントが寄せられ、時には鋭い質問も飛び出し、先生方も感心しておられました。
 

合同発表会後の懇談会では、想像以上の盛り上がりをみせ、終始笑い声が絶えませんでした。先生方も学生たちと楽しそうに談笑している姿が見受けられ非常に有意義な時間を過ごすことができました。

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田中ゼミと浅野ゼミの記念写真(於 早稲田大学3号館)

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