【政経学部】浅野ゼミナール 早稲田大学と合同ゼミ論文発表会
①「単身世帯者が与える地方財政への影響」
増山雄亮さん(拓殖大学 政経学部4年)
拓殖大学総長の渡辺利夫先生が産経新聞で書かれた正論の記事(「単身世帯者の急増は亡国への道だ」)という主張を実証分析した論文です。「亡国」を「市町村の財政指数」に作業化して、実証分析を行ないました。
②「政治家の政策位置分析」
石田さん、河原さん、佐々木さん、下村さん、鈴木さん、矢代さん、ローブリィさん、大賀さん(早稲田大学 政経学部3年)
8人のグループによる共同研究で、自民党総裁と野党の主要な党首の演説内容を「経済次元」と「外交・安全保障次元」に分類して内容分析 (content analysis) し、政治家がどのような政治的イデオロギーに位置するかを年代ごとに集計し、数値化・図式化したものです。経済次元では、小沢一郎や自民党総裁は「左傾化」しているなど、興味深い研究成果が発表されました。グループワークの熱意が伝わってきました。
③「自由民主党における政治資金分配の決定要因」
財田裕斗(拓殖大学 政経学部4年)
自民党が政党資金の分配を決める要因を、選挙における候補者の当選結果に注目し、実証分析を行ったものです。選挙での接戦の度合いを惜敗率という指標に数値化することで、政党が合理的に政治賃金を分配するならば、接戦だった地区により多く資金を配分するはず、という仮説を実証した興味深い発表でした。
④「インターネットによる有権者の政治洗練度への影響」
堀 純子(早稲田大学 政経学部4年)
「ネット選挙は有権者の政治意識を高めるのか?」という問題意識から、有権者を政治感心の高い者と低い者に分け、それぞれのネット利用時間が有権者の政治知識にどう影響するのかを分析したものです。ネットの普及による利用時間の増加が有権者の政治知識の格差を生むという仮説に発展させて実証を試みた興味深い論文でした。
昨年に引き続き今回で二回目の合同ゼミナールは3時間近く続き、田中先生や浅野先生からは、論文の修正点に関して具体的にご指導いただきました。また、学生からも様々な質問やコメントが寄せられ、非常に有意義な時間を過ごすことができました。合同ゼミナールには大きな意義があると思いました。
ゼミ生の感想
法律政治学科 4年 谷井雄介昨年に続いて二回目の開催となった今回の合同ゼミでは、昨年以上に実りある時間が流れていました。合同ゼミに参加することで、専門科目をさらに深く理解でき、政治学のさらなる可能性を垣間見たような気がしました。「学べば学ぶほど、自分が何も知らなかったことに気づく、気づけば気づくほどまた学びたくなる」とはアインシュタインの名言ですが、今回の合同ゼミでは、この言葉の意味を実感しました。先生方をはじめ、合同ゼミに携わったすべての方に感謝致します。
経済学科 3年 北島啓喜
早稲田大学田中ゼミとの合同論文発表会は大変有意義でした。他大学の論文は図書館やインターネットで読むことはできます。しかし、どのようにして論文を作り上げたのかといった経緯を著者に直接問いかける機会はめったにありません。
他大学で実証政治学を勉強している学生が書いた論文に関するプレゼンを聞き、そして質問するという機会はとても有意義でした。私達とは違った目線で分析している論文はとても新鮮で良い刺激になりました。これからの勉強や自分のゼミ論文に生かしたいと思いました。
合同論文発表会の後に行われた田中ゼミ生との懇親会では、早稲田大学の雰囲気を知ることができ大変面白かったです。早稲田大学の友達ができたので、これからはお互いの勉学に刺激を与え合い、切磋琢磨していきたいと思います。
(文責:経済学科3年 佐藤佑一)
注:
財田論文と増山論文は、拓殖大学政治経済研究所主催の奨学論文で、今年度、それぞれ二席と三席に入賞しています。これら二つの論文は、来春頃に次のサイトで閲覧可能です。http://www.takushoku-u.ac.jp/laboratory/pol_eco.html