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2017年08月22日ゼミナール

【政経学部・松井ゼミ】「シュンペーターの経済学を実践する」取り組み

松井ゼミは、経済だけでなく経営や歴史などの視点も加味してグローバル経済を分析するという立体的・学際的な学びを強く志向してきました。これまでの試行錯誤を経て明確になってきたのが、「シュンペーターの経済学を実践する」という方向性です。

 
シュンペーターは景気循環・経済発展・経済体制の問題を統計・歴史・理論面から幅広く分析したことで著名な経済学者です。教員の専門分野は新興国を中心とする経済発展の問題の考察ですが、ここ数年のゼミでは経営の視点(ビジネスモデルの類型化、財閥・企業グループの戦略比較や栄枯盛衰)、歴史の視点(欧米の相対化とアジアの視点に立脚したグローバル・ヒストリー研究)を積極的に題材に取り入れてきました。

シュンペーターの学際的な分析視点

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(出所)筆者作成
近年はデザイン思考の流行などに象徴されるように新しいことを積極的に生み出していくことが経営だけでなく教育の場でも求められるようになってきています。このような状況を意識して、イノベーションが景気循環を生み出しながら経済発展につながるというシュンペーターの理論的な枠組みを念頭に置きつつも、イノベーションを抽象的な概念としてではなく具体的なレベルで考えるようにしています。
ここではイノベーションを考える事例として、ゼミの3年生が中心になって取り組んできた「ネパールと日本の接点の情報発信のプロジェクト」を紹介したいと思います。

 
ゼミ(大学院)にネパールからの留学生が在籍していることから、同国の復興支援に何等かの貢献をしたいと考えてきました。他方で、現地での支援活動は費用や時間面からのハードルが非常に高い状況にある中で、日本ではあまり知られていないネパールとの接点に関する情報発信が復興支援に役立つという問題意識を持ってきました。
具体的には、①ネパールと日本の友好関係事例、②急増する在日ネパール人が直面する問題、③ネパールの地政学的重要性 に焦点を当てた情報発信プロジェクトを進めています。
 

インターネットの急激な発展で、物理的に現地に行かなくても把握できる世界情勢のレベルが飛躍的に向上しました。このような中で従来は出来なかったような国際貢献も可能になっています(=イノベーション)が、インターネットを駆使しつつ学際的にグローバル社会を把握することをゼミでは「21世紀型のグローバル感覚」と呼んでいます。このような問題意識を踏まえて、我々は今後も「シュンペーターの経済学の実践」を続けてゆきたいと考えています。

プロジェクト(ネパールと日本の接点の情報発信)のメンバー

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